一命 3D
2011年11月3日
一命
基本泥臭いシンプルなストーリーで、画面には緊張感が漂っていて、時代劇なのに現代にも通用してしまう理不尽でカタルシスの無いオチで…非常に重みのある映画でしたねぇ。
こーいう映画はそれはそれで好きなのですが、甚内が体調を崩して以降の求女と美穂の幼少期のシーンでは軽く睡魔に襲われたので、もうちょっと体調が良い時に観に行くべきやったなぁ、と。反省。
ここからはエビゾーについて。
満島ひかりはまだしも、瑛太の義父役ってーのは、幾ら何でも無理がありましたよね。
演技自体は『凄い』としか言い様がなかったので贅沢な話かも知れませんが、それにしても回想シーンとのビジュアルのギャップがたいして見えないのは、一回りしてギャグに見えてしまうので、もっと老けメイクをさせなきゃアカンかったやろって話で(苦笑)
観る側からそれぐらい根本的なツッコミをされてもいいから、この映画にエビゾーをキャスティングしたかったんや!という意図はわかるのですが・・・。
また、役者さんをはじめ、時代劇慣れした存在感のある役者さんをあれだけ揃えながらも、エビゾーの、独特のオーラが漂う濃い演技が無ければ、この作品の世界観は到底成り立たない・・・、的印象が強いのは、見終わってから心に引っ掛かるものがありましたが、『この映画はそーいうものなのだ』と割りきれば、高評価に値する作品だと思います。
かたや瑛太は・・・
竹光での切腹シーンの鬼気迫る演技こそ良かったものの、構成上序盤にそれを見せてしまった影響で、それ以降の出番の、狂言切腹に至るまでの流れは『貧困に苦しんでいる』という設定には無理がある、悲壮感の見えないビジュアルだったので、しんどいものがあった。
瑛太は瑛太で頑張ってはいたんでしょうけど、今後はもう無理に時代劇には出なくても…って思ってしまった。
それと、僕が一命について強めに書いておきたいのはですね。
従来の時代劇とはノリが違う、良くいえば三池監督らしさが爆発していた、井伊家の屋敷をフル活用する血が飛び散らない殺陣のシーンはクライマックスに相応しかったんでしょうけど、エビゾー、殺陣をいつまでやんねん?
って思ってしまった。
3D版とカンヌでの上映を無茶苦茶意識していたのかも知れんけど、さすがにアレは長過ぎやろ。
役者さんの表情が見えにくくなるぐらいに、雪の粒が大きめだった演出もうざくて…ねぇ。
そんな殺陣のシーンの影響で、殺陣では竹光にこだわったり、髷だけが切り落とされてしまったり、屋敷の中の鎧兜がアレされてしまうという、武士道の象徴を侮辱する事でエビゾーが命をかけて『武士道とは何か?』を訴える掟破りな展開が、霞んでいた様にも見えた。
もし、武士道を疑問視するのも作品のテーマとして観る側にアピールしたかったのならば、あと何分か屋敷での殺陣を短くしていれば…と言わざるを得ませんね。
とりあえず、一命は3D版で観なくて良かったというのと、エビゾーの演技に尽きる!という事でこの文章を締めましょう。
作品紹介
数々の名作を手掛ける三池崇史監督が、独自のノウハウと世界観で“命を懸けて、何かを守る”男たちの姿を描いた本格的な時代劇映画です。
誰でも知っている歌舞伎界のプリンスこと、十一代目 市川海老蔵が、初老の侍・津雲半次郎を演じています。実際の年齢とはかけ離れた役柄ですが、魂の入ったの演技で観る者を作品の中へと引き込んでいく様はさすがです。その1つ1つの所作の美しさはもちろん、殺陣のキレからは、梨園で生まれ育った海老蔵ならではの老成した凄みが感じられます。その海老蔵と好対照をなすのが、若侍・千々岩求女を演じた瑛太くん。愛する者を守りきれない男の切なさを、若々しく表現しています。全編3Dカメラで撮影され、日本家屋の奥行きを感じさせる映像の陰影も美しいのも見所です。自らの信念を守るため、一命を賭して戦う男たちを鮮烈に描いています。
キャスト
- 十一代目市川海老蔵 (津雲半四郎)
- 瑛太 (千々岩求女)
- 満島ひかり (美穂)
- 役所広司 (斎藤勧解由)
- 竹中直人 (田尻)
- 青木崇高 (沢潟彦九郎)
- 新井浩文 (松崎隼人)
- 波岡一喜 (川辺右馬助)
- 笹野高史 (宗祐)
- 中村梅雀 (千々岩甚内)
予告編
Youtubeで予告編を見ることができます。